GUIDE

EC広告で見るべき数字とは?ROAS・CPA・CVRと利益の考え方

「ROASが高いから広告は成功している」と判断すると、思わぬ落とし穴があります。

広告管理画面の数字を眺めるのではなく、広告費→購入→売上→利益という流れで判断することが重要です。

EC広告では、表示回数(IMP)・CTR・CPCなど、広告がどれだけ表示され、クリックされたかを見る指標も重要です。このGuideでは、その次の段階である「ECサイトへの流入が購入・売上・利益につながっているか」を判断するCPA・CVR・ROAS・利益を中心に解説します。

整理すると、広告配信段階(IMP・CPM・CTR・CPC)と、流入後の成果・採算段階(CVR・CPA・ROAS・ROI・利益)の2つに分けて考えると理解しやすくなります。

EC広告は、広告費をかけて終わりではなく、最終的に利益につながるかどうかまで見る必要があります。各要素をクリックすると、該当する解説へ移動します。

1. EC広告で最初に見るべき数字

EC広告で確認する数字は複数ありますが、まず「何を見る数字なのか」を区別できると理解が早くなります。

確認すること
  • 広告費:広告に使った金額
  • 広告経由売上:広告をきっかけに発生した売上
  • CV(購入件数):広告経由で購入に至った件数
  • CPA:1件購入してもらうためにかかった広告費
  • CVR:訪問した人のうち購入した人の割合
  • ROAS:広告費に対して広告経由売上がどれだけ出たか

2. まず広告費と購入数を見る

広告費だけを増やしても、購入につながっていなければ意味がありません。まずは「いくら使って、何件購入されたか」を見ます。

広告費100,000円に対して、購入が20件だったとします。この1つの例から、CPA・CVR・ROASがそれぞれどう求まるかを見てみます。

10万円広告費
1,000訪問
20購入
5,000円CPA
2%CVR
30万円売上
300%ROAS

3. CPA:1件の購入にいくらかかったか

CPA(Cost Per Acquisition)は、1件購入してもらうためにかかった広告費です。

CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数

100,000円 ÷ 20件 = 5,000円。CPAは低いほど必ず良いとは限らず、重要なのは「1件獲得するために、最大いくらまで使えるか」という基準を持つことです。

4. CVR:アクセスが購入につながっているか

CVR(Conversion Rate)は、訪問した人のうち実際に購入した人の割合です。広告のクリックや流入を増やしても、商品ページ側のCVRが低ければ効率は上がりません。

CVR = 購入数 ÷ 訪問数 × 100

広告経由の流入が1,000人で購入が20件の場合、CVRは2%です。

5. ROAS:広告費に対して売上をいくら作ったか

ROAS(Return On Advertising Spend)は、広告費に対してどれだけ広告経由売上を作れたかを示す指標です。

ROAS = 広告経由売上 ÷ 広告費 × 100

広告費100,000円に対して広告経由売上が300,000円の場合、ROASは300%です。

10万円広告費
30万円広告経由売上
300%ROAS

6. ROASが高くても利益が残るとは限らない

ROAS 300%だけを見ると、広告は成功しているように見えます。しかし広告経由売上からは、商品原価・広告費・決済手数料・モールやプラットフォームの手数料・送料・値引きなど、さまざまな費用が発生します。

そのため、ROASが高いことと、実際に利益が残っていることは別に確認する必要があります。

上記はあくまで説明用に単純化した例です。実際の内訳は事業によって異なります。

10万円広告費
30万円広告売上
300%ROAS
300,000円売上
100,000円広告費
150,000円原価等
50,000円残り

ROI:利益ベースで投資効率を見る

ROI(Return On Investment)は、投資額に対してどれだけ利益を得られたかを見る指標です。ROASが売上ベースの効率であるのに対し、ROIは実際に残った利益ベースの効率を見ます。

ROAS:広告費に対して売上をどれだけ作ったか/ROI:投資額に対して利益をどれだけ得たか、という違いがあります。ROASが高くても、ROIで見ると効率が良いとは限りません。

ROI = 利益 ÷ 投資額 × 100

投資額100,000円に対して利益が50,000円だった場合、50,000 ÷ 100,000 × 100 = ROI 50%です(実際の利益は原価・送料・手数料などによって変わります)。

100,000円投資額
50,000円利益
50%ROI

7. 広告予算はいくらまで使えるか

広告予算は「売上を増やしたいから増やす」ではなく、目標売上・CPA・CVR・ROAS・利益との関係で判断する必要があります。

8. EC広告の数字はこの順番で確認する

これは、広告配信後の成果・採算を見るときの基本確認順です。状況によって必ずこの順番になるとは限りません。

9. 数字ごとに使う無料ツール

すべてのツールを見る →

10. まとめ

ROASだけを見て広告の成否を判断するのではなく、広告費→購入→CPA/CVR→ROAS→利益まで確認することが重要です。

数字ごとに気になる点があれば、そのまま無料ツールで自分の状況を確認できます。

よくある質問

ROASは何%なら良いですか?

事業やコスト構造によって異なるため、一律の目安はありません。原価・手数料等を差し引いた後に利益が残っているかで判断してください。

CPAは低いほど良いですか?

低いほど効率は良く見えますが、重要なのは「1件獲得するために最大いくらまで使えるか」という許容ラインです。低ければ必ず良いとは限りません。

CVRが低い場合は広告を止めるべきですか?

必ずしもそうとは限りません。訪問数自体は確保できている場合、商品ページ側の改善で解決できることもあります。

ROASが高いのに利益が出ないのはなぜですか?

ROASは広告費に対する売上の割合で、原価・手数料・送料等を含んでいません。売上から実際のコストを差し引いた利益で判断する必要があります。

広告予算はいくらから始めればいいですか?

目標売上・CPA・CVRなどとの関係で決まるため、一律の金額はありません。まずは広告予算シミュレーターで目安を確認してください。

ROASとROIの違いは何ですか?

ROASは広告費に対する売上の割合、ROIは投資額に対する利益の割合です。ROASは売上ベース、ROIは利益ベースという違いがあります。