販売価格を先に決めてから、原価や手数料を差し引いて利益率を確認する。多くの場合、この順番で価格を決めます。ただしこの順番だと、目標にしている利益率に届かないことがあり、そのたびに価格を調整し直す必要があります。
この記事では、原価・送料・手数料率と目標の利益率から、必要な販売価格を先に逆算する方法を解説します。
価格を先に決めると起きること
商品を仕入れたりOEMで作ったりするとき、原価はほぼ確定しています。ここに送料や手数料が加わり、最後に販売価格を決めるという流れが一般的です。
販売価格を仮決めしてから利益率を確認する方法だと、目標の利益率に届かないとき、価格をいくつも試算し直すことになります。原価・手数料率・目標利益率が分かっていれば、必要な販売価格を先に計算できます。
必要な販売価格の計算式
利益率は、EC利益計算ツールと同じ「利益 ÷ 販売価格 × 100」で計算します。販売手数料・決済手数料・広告費(売上に連動する場合)などの率ベースの費用は、販売価格に対する割合として扱います。
変動費率の合計 = (販売手数料率+決済手数料率+その他変動費率) ÷ 100
必要な販売価格(理論値)= (原価+送料+その他固定費) ÷ (1-変動費率の合計-目標利益率÷100)
販売価格 = 必要な販売価格(理論値)を1円未満切り上げ
具体例
原価3,000円、送料500円、販売手数料率5%、決済手数料率3%、その他変動費率2%、目標利益率20%の場合で計算します。
変動費率の合計 = (5+3+2) ÷ 100 = 10%
必要な販売価格(理論値)= (3,000+500) ÷ (1-0.10-0.20) = 3,500 ÷ 0.70 = 5,000円
この価格での利益額 = 5,000 × (1-0.10) - 3,500 = 1,000円
この例はちょうど割り切れましたが、割り切れない場合は次のセクションの通り1円未満を切り上げます。
切り上げによる利益率のずれ
理論値が割り切れない場合、販売価格は1円未満を切り上げて計算します。目標利益率をわずかでも下回らせないためです。
そのため、切り上げ後の実際の利益率は、目標利益率とまったく同じにはならず、わずかに上回ることがあります。
この計算に含まれていない費用
広告費は入力欄に含まれていません。広告を使う場合は、その他変動費率(売上に連動する場合)またはその他固定費(1個あたり固定額で見込む場合)に含めて計算してください。
人件費・家賃・システム利用料などの事業全体の固定費も含まれていません。これらは商品1点の価格設定ではなく、損益分岐点計算ツールのような事業全体の計算で確認します。
自分の数字で計算する
自社の原価・送料・手数料率・目標利益率を入力すると、その場で必要な販売価格と、その価格での利益額・利益率を確認できます。
価格を決めたあとに確認すること
逆算した価格がそのまま市場で通用するとは限りません。競合の価格帯や、送料無料ラインを設定する場合の最低購入金額もあわせて確認すると、価格設定の全体像がつかめます。