在庫がぴったり売り切れるように発注していると、需要が急に増えたり、仕入れが遅れたりしたときに欠品してしまいます。そこで、あらかじめ多めに持っておく在庫が「安全在庫」です。
この記事では、統計的な計算を使わない簡易的な安全在庫の考え方と計算方法を解説します。
安全在庫とは
安全在庫とは、需要の急増や仕入れの遅延に備えて、平常時の見込み以上に持っておく在庫のことです。
安全在庫を大きくすると欠品は防ぎやすくなりますが、保管コストや在庫の陳腐化のリスクも増えます。安全在庫は大きいほど良いというものではありません。
統計的な計算を使わない理由
一般的な安全在庫の式では、需要の標準偏差など統計的な数値を使うものが多くあります。正確ですが、日々の販売データから標準偏差を求めるには、ある程度の集計作業が必要です。
この記事とツールでは、小規模なネットショップの店主が自分で見積もれる「平均」と「最大(繁忙期・仕入れ遅延時)」の数字だけで計算できる、最大・最小法という簡易的な考え方を採用します。
最大・最小法による計算式
ピーク時(最大日販・最大リードタイム)に必要になる想定需要と、平常時(平均日販・平均リードタイム)の想定需要の差を、安全在庫とします。
ピーク時の想定需要 = 最大リードタイム × 最大日販
平均的な想定需要 = 平均リードタイム × 平均日販
安全在庫 = ピーク時の想定需要 - 平均的な想定需要
具体例
平均日販10、最大日販20、平均リードタイム5日、最大リードタイム8日の場合で計算します。
ピーク時の想定需要 = 8 × 20 = 160
平均的な想定需要 = 5 × 10 = 50
安全在庫 = 160 - 50 = 110
最大日販・最大リードタイムの見積もり方
最大日販は、過去の繁忙期・セール時など、特に売れた期間の1日あたり販売数を目安にします。最大リードタイムは、仕入れ先からの通常の納期に、遅延が発生した場合の追加日数を加えた日数を目安にします。
- 繁忙期・セール時の実績があるか(なければ平均の1.5〜2倍程度を仮置きして試算する方法もあります)
- 仕入れ先の通常納期と、過去に遅延した場合の実績日数
- 季節性の強い商品は、季節ごとに数字を見直す
自分の数字で計算する
自社の平均・最大の日販とリードタイムを入力すると、その場で安全在庫を確認できます。計算結果は、発注点計算ツールの「安全在庫」欄にそのまま入力できます。