発注のたびにかかる費用と、在庫を持つことでかかる費用は、どちらも無視できません。発注回数を減らせば発注費用は減りますが、まとめて仕入れる分だけ保管費用は増えます。
この記事では、この2つの費用のバランスがとれる発注数量を求める、EOQ(経済的発注量)の考え方と計算方法を解説します。
EOQ(経済的発注量)とは
EOQとは、1回あたりの発注にかかる費用(発注費用)と、在庫を持つことでかかる費用(保管費用)の合計が最小になる、1回あたりの発注数量です。
計算式とD・S・Hの意味
EOQは、年間需要量(D)・1回あたり発注費用(S)・1個あたり年間保管費用(H)の3つから計算します。
EOQ = √(2 × D × S ÷ H)
年間発注回数 = D ÷ EOQ
平均発注間隔 = 365 ÷ 年間発注回数
具体例
年間需要12,000個、1回あたり発注費用1,000円、1個あたり年間保管費用200円の場合で計算します。
EOQ = √(2 × 12,000 × 1,000 ÷ 200) = √120,000 ≒ 346個
年間発注回数 = 12,000 ÷ 346 ≒ 34.6回
平均発注間隔 = 365 ÷ 34.6 ≒ 10.5日
EOQが前提にしていること
EOQは、次のような前提を単純化したモデルです。実際の発注では、これらの前提が崩れることも多くあります。
- 需要がほぼ一定であること
- 1回あたり発注費用が一定であること
- 1個あたり年間保管費用が一定であること
- 仕入先の数量割引がないこと
- 欠品を考慮しないこと
季節性が強い商品や、需要の変動が大きい商品には、EOQをそのまま当てはめにくい場合があります。「必ずこの数量で発注すべき」という正解を示すものではありません。
発注点との違い
発注点は「在庫がいくつになったら発注するか」というタイミングを決める考え方です。EOQは「1回にいくつ発注するのが経済的か」という数量を決める考え方です。役割が異なるため、あわせて使うこともできます。
自分の数字で計算する
自社の年間需要量・1回あたり発注費用・1個あたり年間保管費用を入力すると、その場でEOQ・年間発注回数・平均発注間隔を確認できます。