「送料無料にすれば売上が増える」と言われることがありますが、必ずそうなるとは限りません。送料無料は、購入時の負担感を下げる可能性がある一方で、送料を店舗側が負担することで利益を圧迫します。

この記事では、送料無料を導入するかどうか、何円以上に設定するかを、売上だけでなく客単価・利益とあわせて判断する方法を整理します。

送料無料で購入しやすくなる可能性がある理由

送料が明確な負担として見えると、購入をためらう理由になることがあります。送料無料は、その負担感を減らし、購入のハードルを下げる可能性があります。

ただし、これは「送料無料にすれば必ず売上が増える」ことを意味しません。

送料無料で利益が減るケース

送料を無料にする場合、その送料は店舗側が負担することになります。原価率や手数料率が高い商品では、送料分がそのまま利益を圧迫し、利益率が大きく下がることがあります。

まず確認したい数字

送料無料を検討する前に、次の数字を確認します。

  • 原価率
  • 送料
  • 手数料率(決済手数料・販売手数料等)
  • 客単価
  • 確保したい利益率

送料無料ラインの考え方

送料無料ラインは、送料という固定額だけで単純計算すると、実際より低い金額を出してしまうことがあります。購入金額が増えると、原価や決済手数料などの変動費も比例して増えるためです。

送料無料ライン =(送料+その他固定コスト)÷(1 − 原価率 − 手数料率 − その他変動費率 − 目標利益率)

理論値は1円単位で切り上げます(目標利益率を下回らせないため)。

具体例

原価率40%、その他コスト率(決済手数料・販売手数料等)5%、送料700円、目標利益率10%の店舗で考えてみます。

理論値 = 700 ÷(1 − 0.40 − 0.05 − 0.10)= 700 ÷ 0.45 ≈ 1,555.56円

送料無料ライン(切り上げ) = 1,556円

1,556円は、利益構造から見た最低ラインです。実際に何円に設定するかは、平均客単価・配送地域・競合・購入点数・CVR・確保したい利益率なども踏まえて、この金額以上を基準に検討してください。

自分の数字で計算する

自社の原価率・送料・手数料率・目標利益率を入力すると、その場で送料無料ラインを計算できます。通常の商品1点あたりの利益もあわせて確認したい場合は、利益計算ツールが使えます。

送料無料ライン計算ツールを使う EC利益計算ツールで商品1件あたりの利益を確認する

送料無料以外の客単価改善

客単価を上げる方法は、送料無料条件だけではありません。他の方法とあわせて検討したい場合は、こちらのGuideで整理しています。

ECの売上を伸ばすには?売上を決める数字と改善方法